私の占星術観


ある方と「一年の始まり」はいつが良いだろう?というお話をしていました。
節目はいくつかある中で、私的にはお正月も好きだし
冬至も「無や闇から新しく立ち上がる」感じがして新鮮さが特別。
だけど、占星術に触れる人間としては、やはり春分かなと思います。

「星と春分?どういうつながりがあるのか、不思議」
というお返事をいただいて
そうか、自分にとっては当たり前の感覚に思っていることも
一からご説明するとなるとなかなか難しい!
長くなってしまうし、私の説明で合っているかもわからない、
けれど、占星術を知らない方にも
この魅力的な星のエッセンスみたいなものだけでも
何とかお伝えできたらいいな…と思って
書いた言葉を少し直して、ここにも記しておこうと思いました。

私が『12星座のカード』として描き、お伝えしようとしたことの
ベースの部分でもあると思うのです。
もしご興味が湧いたら、このカードたちを手にとっていただけたら
とてもうれしいです。
(最近お問い合わせが増えていてとてもうれしく*
次回の通販会でも販売予定です)


私は占星術の世界観や背景を知りたくて
好きなように学んだり、想像を膨らませたりしているので
あくまで私の感覚でのお話なのですが。

占星術は「暦」そのものだと思っています。
(西洋占星術の話をしますね。
インド占星術や中国のものもあって、そちらはまだよく知りません。)

太陽の動きによって、春分、夏至、秋分、冬至で四季を分け
それをそれぞれ3分割したもの(新しい季節を始めること、
季節の盛り上がりを維持すること、
季節を変化させ後の季節に移行する準備をすること)
4×3で12宮(12星座)です。
これが占星術で使うチャート(星を配置する空の図)の
ベースとなっています。

12星座には、それぞれを太陽が運行する季節感に
ふさわしそうな意味が割り当てられていると思っています。
暖かくなったら新しい草木が生える、いきものが生まれる
種をまき育て始めるのに良い季節、
だから春分(牡羊座)がチャートのスタート(始まりの時)
なのかなと思います。
太陽によって変化していく大地の季節を
人間が解釈した「表現」としての「暦」。
この「一年の暦」を「人の一生」にも当てはめてもいるようです。
始まりと終わり、
あらゆるストーリーの原型のようでもあります。

このチャートの上を、これまた一つ一つ意味を持たされた星
太陽と月と惑星たちが動いていきますので
その位置や角度の関係を読むのです。

ざっくり言うとこんな感じです。

この暦の分け方と、星自体は基本変わらないのですが
(新しい星が発見されたりはしてますが)
12星座と星の「意味」は、使われる時代や人間、
生活の変化に合わせて変わっていきます。

現代の占星術を見ても、紐づけられた背景を解いていけば
ローマ、ギリシア神話はもちろん
ケルトの暦、クロスクォーターデイ
(インボルク、ベルテイン、ルーナサ、サマイン)も
色濃く反映されていると私は感じています。
中世においての自然科学観(四元素や医学)なども反映されていますし
後世ではエジプト神話と紐づけられたりも。

メソポタミアの時代からの(4000年くらい?)の長い歴史の中で
その時々に生きてきた人々の四季の感覚、
暮らしの感覚、人生の中で対面すること、知恵、喜び、悲しみ
人生観そのものとも言えそうなものが、占星術の体系の中に影響
反映され、淘汰され、今に伝わってきて、今も使われているという…
文化史がたくさん含まれているように感じます。

キリスト教的には占いは禁止のようなので
宗教色で上書きされなかった(古いものが残りやすかった)ということも
あるのかもしれません。

この、長く使われた占星術という文化に
何か大いなる意味を見出そうと研究もされ
錬金術、魔術的なもの
後世のタロットカードなどにも絡み合ってもいます。

だけど…一番根本的なこと。
「この人間の作った物語のようなチャート上での
星の動きや角度に、我々自身や生活となんの関係があるの?」
現代科学では、なんの関係も見いだせません。

どんなに緻密に時間や角度を計算したところで
各星や各星座に、意味を持たせたのは人間の感覚的なもの。
きっとこうなんじゃないかなあ〜?という感覚。
火星は赤い血の色に光っている、だから戦いの神様に違いない、
燃える炎の色だから情熱に関することを司るに違いない、みたいな。
そこに論理的説明は一切できない。

「多くの人が原始的に自然をそのように解釈する、
そんな感覚を覚える、そのことにこそ何か秘密がある」
ということなのでしょうか??
人を深く知ること、生活の中で使うことができる(ように感じる。
星を読めば読むほどそう思います)のはなぜでしょう?
感覚を通して、星たちは何かを伝えようとしてくれているのでしょうか?

そのように考えることは、とても面白いことです。



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