水晶の話


 














私を、水晶に近い存在に感じる、と
神秘的な感性を持った友人に
言われたことを思い出す日。
その方は、私の知らない水晶の一面を知っていそうなので
その本当の意味は今の私には掴みきれない。

占星術の本を読んでいて
そういえば前に読んだ澁澤龍彦氏の本に
ケプラーのプラトン立体のことが載っていたはず…と
本を引っ張り出しパラパラしたら
それは「結晶」についての考察だった。

読んでみる中に「水晶には右水晶と左水晶がある」とあって
ネットで調べると「天然の水晶は半半だけど
人口の水晶は全て右水晶」とのこと。
なぜ…はちょっと調べたけどわからなくて
でも右と左があるなら、私は「左水晶がほしい」と急に思った。
(私は左利きなので、いつも左のことが気になるのだ)

石はきれいだけど、所有欲はあんまりないのだよな…
とまた、そういえば。と思い出したのが
若かった頃に一時期、水晶のネックレスを
二つ買ったことを思い出した。
10年前に原因不明の湿疹に数年悩まされて以降
肌にふれるアクセサリーは一切つけなくなったので忘れていた。

探す。あった。

たしかローズクオーツと、煙水晶、だったと思う。

スニーカーしか履かない山歩き人間になってしまったので
アクセサリーつける機会がないけど
眠らせておくのはもったいない。
そして気になるのは
この水晶たちが「右なのか、左なのか」。

澁澤先生の結晶の文章はとても面白くて
心に残ってる部分の一つに
人工のものの形は直線的で均一なものが多く
自然のものの形は個体差や揺らぎが多いけれど
自然のものもミクロの視点で結晶、分子レベルになると
直線や均一に近づいていき
あたかも”人工的”というような構造になる、ということ。
この自然の中の”反自然”に
隠されたユートピアがあるのでは…と続くのだけど

はて、この世界は一体誰が"設計"したのかしら、と
誰による"人工物"なのかしら("人"じゃないかもだけど)
また私の妄想が始まってしまった。

『胡桃の中の世界』という本の1章です。


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