『カルダーノのコスモス ルネサンスの占星術師』を読む
ルネサンス後期にミラノで生まれた数学者・医師・自然哲学者・占星術師カルダーノ。
時間がなくて途中飛ばしてしまったけど、面白かった点を忘れないようメモ。
占星術が、政治や哲学、宗教とともに権力の中心にある時代。科学の視点が生まれ出そうとするころだろうか。
中世後期に占星術師として生きること、それは真実や未来を当てられるかどうかも大事なうえに観念的な問い、哲学を問われ、権力者や民衆からの嘲笑や破滅の危険につねに晒される。
・王や皇帝、さらには聖人やキリストは「星の下に」生まれているのだろうか?(答えることが命懸け)
・占断が当たらないのは、占星術が破綻しているのか、それとも占星術師の能力が低いのか?
(後者だろう、人類がいまだ星を正しく読めていないのは統計が足りていないからだと、たくさんのチャートとその人生のサンプルを集めようとする占星術師たち)
・自分自身をそのサンプルにするかのように、赤裸々な自叙伝を書くカルダーノ。
(たしかに正確にわかるのは自分自身のことだけだ。しかしなかなかできないこと…)
この時代、チャートを作るだけでも大仕事。(インターネットがある時代でよかった。)
・アセンダントがとても重要らしく(なんと太陽星座よりも)アセンダントと星のアスペクトまで読んでいる。
・ハウスの計算法についてさまざま案が出されている(カルダーノはアセンから30度ずつ均等割でいいと言っていたみたい。たしかにそうでもしないと計算するの大変)
・病気、死期の予言に熱心。(死が今より身近な時代。カルダーノが医師であり自分自身も若い頃からさまざま病気になっていることも関連ありそう)
星をとらえることは世界全体をとらえることなのだった。
『カルダーノのコスモス―ルネサンスの占星術師』勁草書房
アンソニー・グラフトン (著), 榎本 恵美子 (翻訳), 山本 啓二 (翻訳)
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