冥王星の話



占星術のお話をしていて、出てくる疑問のひとつに
「冥王星」に関するものがある。
「冥王星は惑星じゃない扱い(準惑星)なのに、読むの?」
「小さくて遠い星なのに(ときに恐れられるような)
強い影響力があるとされているのはなぜ?」
と聞かれる。どう考えたらいいだろう。

ネットでふと見つけた記事に
「私は冥王星を読まない」ということが書いてあって
とても興味深く読んだ。
冥王星を読むことに関する疑問や謎はいっぱいあるので、よくわかる。


太陽や月は、特別に「その人らしさ」として意味を読む。
実際に空を見上げてもわかりやすくまごう事なく大きく明るく
地球に明らかに影響のある星。

水星から火星くらい(個人天体)は個人の性質を読めるものとして使う。
木星と土星は、個人と社会との関わり方を読む。
ここまでは肉眼でピカピカとよく見えるから
やっぱり感じることができそう。

土星より外の天王星、海王星、冥王星(トランスサタニアン)は
さらに広く社会的なもの、世代的、集団の意識に関するもの
その人が遠く外側から受けるようなもの
普段は個人が認知できないものを読んだりする。
一番遠い冥王星の意味ともなれば
「宿命」「天命」「生死」「極限的変化」などと
重い言葉が響く。
(この3天体は普通は目で見えないけれど
天王星や海王星は条件を整えたら肉眼で見えるらしい!)

こんなふうに、太陽系の中心から外側にいくにつれ
個人〜社会〜時代や運命、と広げて考えるという
占星術的説明は面白い。


「目に見えないほど、地球からはものすごく遠くて小さい星を
なぜそんなに個人のホロスコープで重要視するのか」。

「運命的・宿命的なもの」なんて
目に見えず、把握もできず、存在を証明することもできない。
「そんなものはないよ」と言う人もいる。
だけど、ここぞというときにその存在(のようなもの)を知らしめ
私たちは為すすべもなく、天を仰ぎ身を委ねるしかない…とか
あの時あの選択が、あの日あの人と出会ったから
今の私があります…とか
私の感覚としては、人生には
そういうものの影響が大きくある気がする。

意図しない、目に見えない、触れられない、説明できない、
自分の遠い遠い外側からやってくるものにこそ。

太陽は光り輝く中心の力があり
宇宙には計り知れない無限の力がある。
そして外側は内側へ力を注ぎ込もうとし
その入り口は必然的に一番外側の冥王星が門となる、という
考え方もあるそう。


ちなみに私は「冥王星をしっかり読む派」
(個人天体や感受点とアスペクトがあるときは)。
理由は、個人的なことになるけれど
私のチャートでは冥王星を読まないと
タイトなハードアスペクトがなくなる。
私という人間、人生を振り返ると
水瓶座火星と蠍座冥王星のハードというものがしっかりと
形跡(傷口、とも言える)を残しているように感じる。
もし冥王星がチャートに上がっていながったら
占星術に対する納得感、そのものが薄れていたように思うくらい
冥王星の存在感を肌では感じている。
「これがあったからだったのかー!!」と
思わずにはいられなかった。

そして火星冥王星ハードを持っている他の人にも
その方の中のそのエネルギーを感じることがある。
不思議なことに「この人は火星冥王星ハード仲間だな…」と
星を見る前にわかってしまうことが時々ある。

こんなふうに
個人天体に冥王星がからむと(もちろん人それぞれですが)
冥王星は命を賭してでも語ってくる気がする。
コントロールできるスケールの星ではないけれど
人生を揺るがすレベルと想像されるメッセージは
受け取っておきたいと思う。


とはいえ「冥王星の意味」にはまだわからないことばかり。
(永遠にわかることはできない大いなる存在とは理解している)
科学界で冥王星が「準惑星」になったのは
他にも似ている小惑星(エリスなど)がたくさんあるからだそう。
もしかしたら、その星たちも
何か大きな意味が隠されているのかな…と思ったりもする。

2022.3.24 水瓶座入りの日、一部追記、修正しました



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