冥王星の話
占星術のお話をしていて、出てくる疑問のひとつに
「冥王星」に関するものがある。
「冥王星は惑星じゃない扱い(準惑星)なのに、読むの?」
「小さくて遠い星なのに(ときに恐れられるような)
強い影響力があるとされているのはなぜ?」
と聞かれる。どう考えたらいいだろう。
ネットでふと見つけた記事に
「私は冥王星を読まない」ということが書いてあって
とても興味深く読んだ。
冥王星を読むことに関する疑問や謎はいっぱいあるので、よくわかる。
*
太陽や月は、特別に「その人らしさ」として意味を読む。
実際に空を見上げてもわかりやすくまごう事なく大きく明るく
地球に明らかに影響のある星。
水星から火星くらい(個人天体)は個人の性質を読めるものとして使う。
木星と土星は、個人と社会との関わり方を読む。
ここまでは肉眼でピカピカとよく見えるから
やっぱり感じることができそう。
土星より外の天王星、海王星、冥王星(トランスサタニアン)は
さらに広く社会的なもの、世代的、集団の意識に関するもの
その人が遠く外側から受けるようなもの
普段は個人が認知できないものを読んだりする。
一番遠い冥王星の意味ともなれば
「宿命」「天命」「生死」「極限的変化」などと
重い言葉が響く。
(この3天体は普通は目で見えないけれど
天王星や海王星は条件を整えたら肉眼で見えるらしい!)
こんなふうに、太陽系の中心から外側にいくにつれ
個人〜社会〜時代や運命、と広げて考えるという
占星術的説明は面白い。
*
「目に見えないほど、地球からはものすごく遠くて小さい星を
なぜそんなに個人のホロスコープで重要視するのか」。
「運命的・宿命的なもの」なんて
目に見えず、把握もできず、存在を証明することもできない。
「そんなものはないよ」と言う人もいる。
だけど、ここぞというときにその存在(のようなもの)を知らしめ
私たちは為すすべもなく、天を仰ぎ身を委ねるしかない…とか
あの時あの選択が、あの日あの人と出会ったから
今の私があります…とか
私の感覚としては、人生には
そういうものの影響が大きくある気がする。
意図しない、目に見えない、触れられない、説明できない、
自分の遠い遠い外側からやってくるものにこそ。
太陽は光り輝く中心の力があり
宇宙には計り知れない無限の力がある。
そして外側は内側へ力を注ぎ込もうとし
その入り口は必然的に一番外側の冥王星が門となる、という
考え方もあるそう。
*
ちなみに私は「冥王星をしっかり読む派」
(個人天体や感受点とアスペクトがあるときは)。
理由は、個人的なことになるけれど
私のチャートでは冥王星を読まないと
タイトなハードアスペクトがなくなる。
私という人間、人生を振り返ると
水瓶座火星と蠍座冥王星のハードというものがしっかりと
形跡(傷口、とも言える)を残しているように感じる。
もし冥王星がチャートに上がっていながったら
占星術に対する納得感、そのものが薄れていたように思うくらい
冥王星の存在感を肌では感じている。
「これがあったからだったのかー!!」と
思わずにはいられなかった。
そして火星冥王星ハードを持っている他の人にも
その方の中のそのエネルギーを感じることがある。
不思議なことに「この人は火星冥王星ハード仲間だな…」と
星を見る前にわかってしまうことが時々ある。
こんなふうに
個人天体に冥王星がからむと(もちろん人それぞれですが)
冥王星は命を賭してでも語ってくる気がする。
コントロールできるスケールの星ではないけれど
人生を揺るがすレベルと想像されるメッセージは
受け取っておきたいと思う。
*
とはいえ「冥王星の意味」にはまだわからないことばかり。
(永遠にわかることはできない大いなる存在とは理解している)
科学界で冥王星が「準惑星」になったのは
他にも似ている小惑星(エリスなど)がたくさんあるからだそう。
もしかしたら、その星たちも
何か大きな意味が隠されているのかな…と思ったりもする。
2022.3.24 水瓶座入りの日、一部追記、修正しました
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